三方山に囲まれた京都。
都市の雑踏から少し離れると、静寂が漂うような所も少なくありません。少し車で走りますと、山の中に入ってしまいます。
このような小さな町で多種多様のお土産があるのには、今さらながら驚かされます。京都に来た人が、お土産に頭を悩ませるのも、無理からぬことです。
若狭から、浪速から、丹後から運ばれてくる海の幸、山の幸は、昔はとても新鮮なものとは、言えませんでした。
それをいかにおいしく料理するかという工夫から生まれた香辛料が七味唐がらしであったと聞いております。
うどん、そばにはもちろんのこと、鍋物、湯豆腐、漬物には欠かすことができない味の引立て役。また、蒲焼や水炊き、丼物にはピリッとした山椒が欠かせません。
七味唐がらしは、香りと風味が全て。
唐辛子、山椒、青のり、胡麻、麻の実、紫蘇、陳皮の七つの素材が相まって、特有の香りと風味が生まれます。
このうち、唐辛子と山椒の種類と分量で七味唐がらしの香りと風味が決まります。
当店の七味唐がらしは、厳選した七つの素材を昔ながらの割合で、一つ一つすり鉢で調合しております。
近代化が進むにつれ、便利な機械や化学調味料が出てきます。便利で簡単で、量産もできるため、そうした方がいいかもしれません。
しかし、当店の歴史が培った技術と現在の技術を融合させて、手作りにこだわり、お客さんに喜んでもらえるよう、日々努力しております。
七味唐がらしは、高血圧予防や体内脂肪を酸化分解する効果があると言われ、その上、激辛を好む人も増加傾向にあり、“マイ七味”として自分だけのものを小さくかわいいビン等に入れて、絶えず持ち歩く方も増えていらっしゃるようです。
京土産のひとつとして、手作りの心を大切にした六兵衛の七味唐がらしを食卓で試み、満足のいく味と香りをご賞味下さい。
自然の味と香りを感じていただけましたら、私どもの至上の喜びです。